「エンターテイナーであれ」。この仕事を始めた頃、上司にこう言われたことがある。お客様に喜んで頂くために、スタッフは皆、エンターテイナーでなければならない。なるほどとは思いつつ、それは一体どういう人なのだろうと思っていました。
 答えは岡井さんがこのステージで教えてくれました。お客様に喜んで頂くということはこういう事だよ、と僕たちにそっと教えてくれる。KANMON’ROLL!はそんなイベントになった。
 このイベントが決定した時、僕は「決して古臭くならずに今でも輝いている楽曲でお客様に新年を迎える活力を与えるようなイベントにしたい」と考え、温故知新(年)というタイトルを付けた。岡井さんは僕の考えを聞き入れてくださり、全曲をオールディーズで準備し直してくださった。
 その日は朝から少し雨が降っていた。今夜の夜景は綺麗に見えないかもしれないと少し心配したが、昼にはその雨もあがり、ライブ開始が近づくにつれ、お客様が次々と来場し始めた。さすがに長年ルート66というライブスポットをなさっている岡井さんのファンはもの凄く多い。来場されるお客様は皆、一様に今日を楽しみにしていたという表情をしている。
 1STステージ、満席の会場で岡井さんが拍手で迎えられる。まずはギター1本で「ジャニーギター」、「LOVE ME TENDER」を披露してくださる。ガットギターの音色と大人の魅力たっぷりの深い歌声が会場に広がり、早くもお客様の身体がリズムを取り始めていた。
 MCでも抜群のユーモアのセンスとその間でお客様を沸かせる。「下関にせっかく来て下さったお客様が、僕のライブで下関は良かったなぁと言ってくれるかもしれない。僕はいつもこういったライブをする時には下関を代表するような気持ちで望むんだよ」と後日語ってくださった岡井さん。これがエンターテイナーなんだと僕は思った。
 ライブはパーカッションの峠本さんの登場でさらに加速していく。「キャンセラ」「Route66」と小気味良いリズムの中、岡井さんのヴォーカルがお客様を魅了する。「禁じられた遊び(岡井さんアレンジ)」ではギター1本でここまでできるの?と思わずにはいられない技術を見せてくださった。
 峠本さんのカホン(写真で峠本さんが座っている箱型の打楽器)が小気味良いリズムを刻む。客席後ろからでは峠本さんが何を叩いて音がしているのか見えにくいため、立ち上がって見るお客様がたくさんおられた。
 「ジャンバラヤ」で1STステージを終えた後も、帰られるお客様はほとんどいない。皆さん2NDステージも楽しみになさっているのがよくわかる。2NDステージにあわせて来場されるお客様もいるため、僕たちは席を追加する。忙しいけれど嬉しい作業だ。
 2NDステージはまさに圧巻の一言だった。日本の名曲「ブルーシャトー」からアメリカへ渡り「ダイアナ」、次はイギリスの「YESTERDAY」、さらにはブラジルへ飛び「マシュ・ケ・ナダ」。オールディーズの世界旅行という組み立てでお客様を沸かせる。「上を向いて歩こう」では、自然と手拍子が起こり、最後の曲ではこのイベントの恒例となった、ロビーの照明を全て落とし、関門橋を見ながら「見上げてごらん夜の星を」で締めくくった。もちろんアンコールが起こり、アップテンポの「君といつまでも」で応えてくださった。ここでも手拍子、最後には大拍手。お客様も大変楽しまれたライブとなった。最初から最後まで、お客様にどうやって楽しんでいただくかに全力を尽くした素晴らしいステージだった。「エンターテイナーであれ」を教えてくださった岡井さんに僕は心から拍手をおくらせていただいた。

ステージ装飾
協力 長府毛利邸
KANMON’ROLL!〜温故知新(年)〜
1ST
ジャニーギター
LOVE ME TENDER
好きにならずにいられない
キャンセラ
AND I LOVE HER
ROUTE66
禁じられた遊び(岡井さんアレンジ)
ジャンバラヤ
2ND
ブルーシャトー
ダイアナ
YESTERDAY
マシュ・ケ・ナダ
亜麻色の髪の乙女
YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO
上を向いて歩こう
見上げてごらん夜の星を
アンコール
君といつまでも
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